居住の視点から見た史跡制度下の合掌造り家屋（主屋）と付属屋の実体:五箇山における歴史的環境の持続再生に関する研究その２

摘要

前稿に引き続き，1970年に国の史跡に指定された富山県南砺市の五箇山地域に位置する相倉（旧平村）・菅沼（旧上平村）の合掌造り集落（以下，それぞれ相倉，菅沼）において，本稿では，土地利用の規制がかけられた史跡制度下，生活の近代化や家族の変化などへの生活空間の対応や順応について，指定から40年以上経た「生きた史跡」の実体を，合掌造り家屋（以下，合掌家屋）を主屋とする居住の視点から考察することを目的とする。