地域外人材による文化的景観保全の取り組み:輪島市大沢地区の間垣保全支援活動を事例に

摘要

輪島市大沢・上大沢地区は，冬の海からの強い風から家々を守るため，間垣と呼ばれる垣根で覆われている。間垣は地域に自生するニガタケという細い竹で構成され，その維持のために基本的には毎年差し替える作業が必要である。しかし，地域住民の高齢化の進展等により毎年の補修作業が困難となり，維持管理を容易にするために，板貼りの垣根に替えられたり，放置されたりしているものもあり，間垣の景観が失われつつある。このため，能登の里山里海景観の重要な要素である間垣の風景を後世に継承するための新たなしくみづくりが求められている。