民家転用の宅老所における認知症高齢者の生活行為とスタッフの支援に関する研究:利用者の無為行為と生活リハビリに着目して

摘要

認知症高齢者は日常生活の生活行為を組み立てる実行機能に困難を抱えることが指摘されており、認知症高齢者の「生活の質」は障害程度と支援の質の相互作用に依存すると考えられる。本研究では、同一組織の運営でありながらスタッフから利用者への関わり方が異なる佐賀県内の民家転用の宅老所「Ä宅老所」と「B宅老所」における利用者の生活行為とスタッフの活動内容を比較し、スタッフの支援の違いが利用者の生活行為に与える影響を明らかにする。調査は両宅老所で2005年12月と2007年10月に1日ずつ7:00から19:00までの計12時間、滞在場所と行為、会話などを1分間隔で記録した。調査対象の概要を表1、表2、図1、図2に示す。利用者とス夕ッフの行為分類表を表3、表4に示す。