サスペン·アーチ·グリツドルーフの基礎的研究： プリベンディング·アンブレラの仮設空間への適用性について(その1)プリベンディング·アンブレラの提案と付加荷重に対する抵抗について

摘要

木材等を変形させて初期曲げを与えることによって形成されるプリベンディング構造は、容易な施工で軸力抵抗系の形成が可能な点を特徴とする。しかし、形状形成時の曲げ応力の抑制と、形状形成後の剛性·安定性の確保の2つの要求を、同時に満足できる材料と部材断面の選択の自由度が低いため、実施例が極めて少ない(図1a,b)。一方、張弦アンブレラ(図1c)等の中央の柱で屋根を支持する片持ち屋根構造は、少数の支持部材による構成や、開放的な空間の形成が可能である。上述2つの構造形式を組み合わせたプリベンディング·アンブレラ(図2)は、初期曲げを与えた上下弦材(図2d)と束によって構成されたサスペン·アーチ形状のュニットをグリッド状に配置した形態であり、屋根を中央4点で支持した構造である。