JAXA 宇宙科学研究所の宇宙探査／観測計画: はやぶさ２小惑星探査から深宇宙探査船団へ

摘要

現在の国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所はこれまでに、組織や構成員・所掌課題をScrap & Build しながら、飛行機→ロケット→高層大気観測→天文衛星→惑星探査へといつも新たな領域に挑戦してきました。今後目指すべき中心的課題は、「宇宙の始まりと銀河から惑星に至る構造形成の解明」と「太陽系と生命の起源の解明」です。地球大気に遮蔽・埋没されてしまう波長域：γ線・X線・紫外線・赤外線・マイクロ波を宇宙から直接的に観測し、これらデータを統合しさらに地上観測設備と連携して、１３７億年の宇宙の歴史に迫ります（図１）。今後１０年を掛けて太陽系宇宙の天体に直接的に探査機を送り込み、水星から木星に至るJAXA深宇宙探査船団Deep Space Fleet の配置を完成させます（図２）。その場観測やサンプルリターンといった手法を駆使して、船団群一体となって４６億年の太陽系宇宙の進化を探求します。そしてこのJAXA 深宇宙探査船団をその次にどのフロンティアに押し出すかを思考しながら「宇宙機及び宇宙輸送システムに関わる宇宙工学技術の革新」を目指します。経営資源を糾合するためには、常に魅力的なコンテンツを世に示すことが重要を考えます。