接近通報音の検知性に二次タスクが与える影響

摘要

接近通報音の背景騒音下における検知性に二次タスクが与える影響について検討した。二次タスクとして2 種類のゲームアプリケーションを用いた。自動車の発進時を想定した実験では二次タスクへの集中度，また二次タスクそのものが接近通報音の検知性に与える影響は見られなかった。停止状態からの発進時のように，不意に接近通報音が鳴る場合では，接近通報音は十分に検知され，二次タスクの影響も小さいことが明らかになった。自動車の接近時を想定した実験では，先行研究と同様に二次タスクによる検知レベルの上昇が確認され，二次タスクへの集中度が高いほど検知されにくくなることが示唆された。ただし，実験室実験であるため，実環境に比べて音源分離が困難であることや，被験者タスクの影響の違いが課題としてあげられる。実環境下で検討された研究と比較した議論が重要であると考えられる。