駅周辺の河川敷利用の促進に向けた地域主導型社会実験の枠組み: 公民学連携による地方都市の駅前市街地再生に関する研究 その11

摘要

筆者らの研究室では、和歌山市駅（以下、市駅）周辺地区の再生に向け、2014 年に地元の商店街組織、自治会と「市駅まちづくり実行会議」を発足させ、2015 年から市駅前通りの一部を歩行者空間化する社会実験「市駅 “グリーングリーン” プロジェクト」を実施してきた。市駅前通りについては、社会実験を契機に歩行者空間の拡充を前提とした街路整備が和歌山市と地域の間で具体的に検討される段階に移ったことから、2018 年は市駅近くの紀の川河川敷を活用する社会実験を実施した。本稿では、河川敷を活用した社会実験実施の背景、企画準備段階における検討事項や実施条件を整理し、今後の課題について考察する。