北海道における巡礼道及び重層的な聖地の歴史文化に関する研究: 札幌市の自然歩道・遊歩道の利用実態と地域ブランディング

摘要

本研究は北海道の都市形成における「山」及び「道」に着目するものである。札幌市は積雪寒冷地にあって現在約200 万人の人々が暮らす。大都市でありながら市民の居住環境には豊かな自然が隣接し、四季を通じてハイキング気分で気軽に歩くことのできる自然歩道や遊歩道等の歩く経路が整備されている。札幌市内はじめ北海道各地にあるこれらの歩く経路は、先住民族の信仰や江戸後期以降の仏教振興との関わり、さらに近現代のスポーツ文化やアウトドア・アクティビティの要素が相まって形成されており、このことを重層的に捉えると興味深い。