都電荒川線沿線における都市分断要素の指摘率分析: 線形形状が都市に与える分断と空間評価に関する研究 その4

摘要

指摘率が高いのは順に街2の鉄道高架86%、街2の鉄道高架81%、街1の幹線道路67%と続き、街2の川1、街2の鉄道高架、の高速、の幹線道路2が 62%となっている。これらはどれも大規模な都巿ィンフラに関わるものが多いことがわかった。分断-つながり心理量で見ていくと、分断している意識が強い地域では、高速道路、川、鉄道高架、幹線道路などが高い指摘率を示していた。つながり意識が強い地域では、幹線道路（幅員の狭い小規模なもの）、商店街などが指摘を受けている地域であり、指摘率は高くても38%となり比較的低い数値であつた。また、都電荒川線の指摘率に着目してみると、最も高い指摘を受けているのがくR10>街1、街2で「踏切のスケール」で19%であった。ついでの「線路と道路」が14%であった。他に「線路」、「道路上の線路」がある。停留所に関わる指摘では「ホーム」、「ホーム形状」、「ホームの看板」などが指摘を受けている。要素項目はあるが、要素数の合計は少なく、指摘率も10%以下であつ た。以上のことから、都電荒川線の線形形状が都市に与える分断の影響は他の鉄道高架などの空間要素より低いことが明らかとなった。