地中配管設備等の非構造部材を含む3 階建て住宅の機能を検証するＥ－ディフェンス実験（首都圏レジリエンスプロジェクト）: その5. 下層2 層外構の面切り出し実験 (2018.1) と数値解析モデル

摘要

本報では，2018 年1 月実施の準備実験から，国際的な解析モデル（IMK-Pinching モデル）の適用性を考察する。詳細は文献 1)，2)を参照されたい。図1 の軸組工法の外構面を対象とする。不二サッシ株式会社において運用されるF 型層間変位試験装置において，面内載荷条件を与えた。図2 に施工状況と実験セットアップを示す。静的載荷および動的載荷が可能である。本実験では，対象とする3階建て住宅の下層2 層の外構面を取り出した。上部（ピン固定）と下部（基礎固定）を正負反対に移動させて相対変位を与えた。不動床位置には，試験体面外への触れ止めを施した。Step1, 3, 5, 7, 9, 11, 13 の静的載荷（最初の履歴）と，同水平振幅を最大値としてめざす動的載荷（後続の履歴）のStep2, 4, 6, 8, 10, 12 を交互に実施した。動的載荷では，周期2.5 秒で徐々にピークに達し，複数回ピークを繰り返し，その後徐々に0 点に戻る方法により10 回以上の正負交番変位を与えた。図3 に応答履歴を，図4 に層変形分布を示す。大きな変形では筋交の座屈が進行し，1 層目に変形が集中した。動的peak12 の最中に筋交が完全に折れた。各振幅ピーク時における割線剛性をプロットすると（図5），同振幅で最初の履歴と後続の履歴で値はほぼ等しく，最大振幅が新たな領域に入り低下を生じている。0.01 rad 付近で，初期の約0.5 倍となる。対応するループ面積の等価減衰（図6）は最初と後続において，大小がはっきりしている。最初の履歴は0.12-0.13 付近に，後続の履歴は0.08-0.07 付近に集中した。