公共施設再編計画の傾向および転用による市民の主体性の創出に関する研究：公共施設転用の計画・運営における市民参加の特徴と有意性について

摘要

公共施設の再編において、各自治体は施設の絶対量を減らす方針である。一方で余剰となる施設の利活用については、未だ検討段階のところが多い。転用における市民参加は、全体としてあまり進hでおらず、行政の人手不足やノウハウ不足が起因している。そうした中で、運営主体が行政から市民に移っているものもあり、受動的な場から能動的な場へと変化している。市民の主体性の強さは、市民参加開始時の形態が大きく関係しており、計画から運営まで一貫して市民が関われるためには、単にアンケートやパブリックコメントで意見を募るだけでなく、市の政策の下、まちづくり団体が形成されるなど、各自治体が市民参加の基盤をつくり、そこから主体的な市民を育てていくことが重要である。