フライングパレスの装飾計画と編年考察: サンボー・プレイ・クック遺跡群を事例として

摘要

フライングパレスはインドのエディキュラー装飾を模倣し、そこにクメール独自の特徴を加えて発展していった。その発展過程において当初は祠堂ごとに合わせて作っていたものが、次第に統一的な計画手法に乗っ取って作られていったと考えられる。　ここまで独自に発展していったフライングパレスが後年の時代の中で姿を消してしまった理由を推察するならば、フライングパレスの中の限定的な構成要素が強調され、その影響がアンコール期のエディキュラー装飾に与えられたためではないだろうか。