北海道大学における歴史的建造物の図面アーカイブの現状と課題

摘要

歴史的建造物の原図は施設部と文書館が所蔵しており、33 棟中31 棟の原図32 件を確認した。中には紛失の可能性のあるものや移管及び目録への記載が適切に行われていないものがあった。施設部では、増え続ける図面への対処として閲覧の効率化のためD B が作成され、施設の整備と維持を目的とした図面利用を容易にしている。その一方で、人手不足の中、原図の所在や保管状態に注意が払われなくなっている。さらに、移管先の文書館でも、人手不足と建築図面への不慣れのために、一部の原図が未整理のまま目録に記載されていない。歴史的建造物の原図管理には、改善の必要がある。また、過去には、研究室が歴史的建造物の図面を活用した事例もあった。