公共施設整備事業を実施する都市における目標未達成の要因究明: ケーススタディによる認定中心市街地活性化基本計画の目標未達成要因（その2）

摘要

本研究では，基本計画事業の公共施設整備事業が多い傾向にある【都市施設・交通整備型】と【文化観光推進型】の目標未達成の都市を対象として特性分析とヒアリング調査を行い，目標未達成要因を明らかにした。【都市施設・交通整備型】： C 市は， 基本計画期間内では完了できなかった行政主体の公共整備事業を複数設定したことが要因として考えられる。また，目標数値設定の積算根拠が曖昧なことやイベント事業の進捗状況をその他の事業箇所と共有できなかったことが要因として考えられる。【文化観光推進型】：D 市は，目標指標の「施設入込客数」を集計する対象施設7 件のうち3 件が鉄道駅や主要道路に隣接していないにも関わらず，交通アクセス強化の事業がなかったことが要因として考えられる。また，目標数値設定の積算根拠が曖昧なことや行政主体のハード事業において進捗状況などの情報共有不足により，事業が未完了・未着手となったことが要因として考えられる。このことから，公共整備事業を多く実施している都市の目標未達成要因として，曖昧な積算根拠による目標数値設定や進捗状況等の情報共有不足。そして，行政主体のハード事業が未完了・未着手であったことが要因として考えられる。