JAXA の宇宙教育活動-宇宙教育による学校教育支援-

摘要

JAXAは宇宙を素材として、教育現場及び広い意味での青少年育成に貢献することを目的に、2005年5月に宇宙教育センター（以下「センター」という。）を設立した。センターは、「宇宙が子どもたちの心に火をつける」をスローガンとしている。宇宙に関する科学や技術、そして宇宙活動には、青少年に感動を与える、他の分野にはない大きな魅力や影響力が詰まっており、初等中等教育段階での教育活動の素材としてのポテンシャルが極めて高い。よって、宇宙教育は、教育現場や次世代の日本を担う青少年の人材育成・人格形成に大きく貢献できるものと考えられる。宇宙教育活動では、子どもたちの心に、元々内包する「好奇心」、「冒険心」、「匠の心」に刺激を与え、火をつけるきっかけ作りを行っている。これらの心は、人類が宇宙を目指してきた心と同じといえる。さらに宇宙に接するということは、宇宙という視座〔時間軸と空間軸〕が身につき、物事を幅広く・多面的に解釈できるようになることが期待される。宇宙教育活動では、さらに私たちにとっては、基本的に大変重要となる「いのちを大切に思う心」を活動のベースにしている。これを我々は、３つの心とあわせて「命のトライアングル」と呼hでいる。このような考え方は、新学習指導要領に掲げられる「生きる力」を育むという理念にも合致するものである。