夏期のデシカン卜換気が起床時の生理•心理反応に与える影響

摘要

デシカント換気が設置された住宅で睡民実験を行つたところ以下の知見を得た。1) デシカント換気は従来型換気と比較して相対湿度を30%低下させるだけでなく、室温を1°C程度低下させる効果がある。2) デシカント換気は暑がりの皮膚温を有意に低下させるが、寒がりの皮膚温には影響を与えない。3) デシカント換気は起床時の温冷感を涼しい寄りに、快適感を快適寄りにする効果がある。特に暑がりの温冷感ではその効果が顕著に現れる。4) 暑がりは皮膚温、温冷感、快適感の全ての因子で室温、湿度両方に影響を受ける。5) 暑がりはデシカント換気による温湿度変化が皮膚温、温冷感、快適感の順に効果が表れる。一方で寒がりは、皮膚温は影響を受けず、温湿度変化、温冷感、快適感の順で効果が現れる。6) 暑がりの温冷感は、室温より湿度の影響を強く受け、その比率は3:7である。以上より、デシカント換気による湿度制御は夏期の28~29°Cの室温を涼しく快適に感じさせる効果がある。特に暑がりの人には大きな効果があると考えられる。