統計ベースの印象語による配色支援

摘要

配色は，デザインの中でも対象となるコンテンツの印象を大きく変化させる重要な要素の一つである．デザインの知識のある専門家は，配色を巧妙に利用して各コンテンツに演出したい印象を付与することができる．また，デザインの知識に乏しい一般の人々（以下，一般ユーザ）も，配色のウェブサイトから専門家がアップロードした配色を検索することで利用できる．しかしながら，その検索においては，ほとhどの場合に検索結果上位の配色を選択してしまう．その結果，演出したい印象が画一的になり，同時に一般ユーザの意図も反映されにくいため，必ずしも一般ユーザの所望する条件にあった配色が選択できている状況とはいえない．配色に関する先行研究では，色パレットのツールによる配色変換や，自動色割り当て，配色の親和性関数を使った最適化手法などが提案されている．また，印象に沿った配色として，膨大な配色データを用いてLasso 回帰により指定した印象の配色を提案する手法が提案されている．本手法は，印象に沿った配色を提案できる一方で，膨大なデータがない場合利用できず，回帰処理にも計算コストが高い問題がある．