身体的感覚に対する刺激が意思決定の結果に対する印象に与える影響の分析

摘要

日常の行動は多くの意思決定から成り立っている．意思決定の場面において，決断に時間を要してしまったり，その場で決めることができずに次の機会に持ち越したりすることがある．特に，多くの選択肢から何かを選ぶ際に，迷いや葛藤がより生じやすい．一方で，工業技術が進hだことにより商品やサービスの選択肢が増えている．身近なボールペン一つとっても，多くの種類が存在する．例えば，文具メーカーである株式会社パイロットコーポレーションのホームページによると油性，水性，ゲルの3 種類のインクがあり，その中でもっとも製品数の多い油性ボールペンでは，単価4 万5 千円の高額品から80円の廉価品まで57種類の製品が紹介されている．また，各製品のラインナップとして製品によってはペン先のサイズが0.5mm，0.7mm，1.0mmなどの種類があり，さらに，ボディーカラーやインクの色が選択できる．製品の種類が多いということは，それだけ目的や嗜好，予算にあった製品を選択できることになるが，製品知識や使用経験が無いと，多岐にわたる製品から最適の一つを選び出すことは簡単なことではない．特に，意思決定時に迷いが生じると，決定後も選択しなかった他の選択肢について考え続けたり，自分自身が行なった意思決定に対して満足できなかったりすることがある．