日射量及び日射強度に対する生理心理評価

摘要

日光浴には視覚神経系への強い光刺激により生成されるセロトニンの作用による鬱病や不眠症の改善効果があるだけでなく, 心理的にもリラックス効果が認められている. 一方で，太陽光への過剰な暴露は日焼けやそれに伴う皮膚癌の発生率を上昇させるだけでなく,不快な痛みや痒みを生じさせるなど心理的にネガティブな効果も生じさせる. このように日射熱に対する心理応答はその多寡によってポジティブにもネガティブにもなり得る. 我々は日射に対する心理的評価実験を行い,形容詞「ぼhやりする」は日射量に比例することが明らかになった. 本研究では,日射に対する生理心理応答を明確にする事を目的とし,日射に対する心理評価及び客観的なデータとの比較のため,生理心理評価実験を行った. 日射に関するSD法に基づくアンケート,状態-特性不安尺度（以下STAI）, 気分状態特性尺度（以下POMS）の統計的解析及び前腕部の皮膚温の統計的解析を行った.