1880 年代から1960 年代までのデザイン論のサーベイ:産業化以降の人間はどのようなデザインを理想的と考えてきたのか

摘要

本稿では1880 年代のアーツ・アンド・クラフツ運動から1960 年代のデザインリサーチの登場までの「デザイン学史」を体系的に論じていく．デザイン学は資本主義の発展と芸術の両立の困難性や，マーケティングと機能に関する問題などに直面しながら成長を遂げてきた．21 世紀に突入して「デザイン」を冠する学問は領域を広げ，感性工学会においてもデザインの理論・実践研究の発表は過去のプログラムを見ても非常に多く行われている．