UAVの一種として、回転翼機の機動性と固定翼機の航続距離を併せ持つ垂直離着陸機(VTOL : VerticalTake Off and Landing)がある。我々はこれまでに倒立型飛行体モデルを提案し、推進式VTOL機の実現を目指している。推進式は重心が推力発生装置の上部にあることが特徴である。また推力発生装置の吸気部分の面積を一定量確保することで、推力発生装置の上部に積載物や機体構造、作業スペースを設けることができ、使用用途を拡大することができる。その反面、推進力が姿勢に不安定な力を及ぼすため3軸姿勢(roll軸、pitch軸、yaw軸)の自動制御が必要となる。先行研究において垂直離着陸、ホバリングには成功しているが、VTOL機研究の最終的な目標である水平への遷移が未達成である。そこで本研究では、推進装置を内蔵した可動脚により、垂直離着陸及びホバリングを行い、ホバリング時に可動脚自体を機体後方に向けて推力を後方に指向させることで水平飛行へと遷移するVTOL機を提案し、水平飛行遷移時の機体制御を簡略化する。水平遷移する飛行体の概略図を図1に示す。
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