中国瀋陽•都市近郊農村における土地流転と在住農家の階層化に関する考察: 漢族集落，茨楡坨村(しゅいむら)を事例に

摘要

本稿では、集落内集積型•茨榆坨村(漢民族集落）を事例に、在住農家の営農規模の階層化を居住域の社会•空間構成と結び付けて分析することによって、姓氏•家族関係と旧生産隊所属関係が農家階層化に与えた影響が捉えられた。また、農家階層化に従い、農業大規模化に関わる新たな協働性の形成も捉える事が出来た。これらの考察から、以下の事がわかった。(1)2019年6月現在、441戸の戸籍住民の内、小規模農家は168戸（37.9%)、規模拡大農家は75戸（16.8%)、大規模農家は5戸（1.1%)、離農農家は193戸（44.2%)である。離農農家の内、130戸は在住しており、約60戸は離村した。そして、5戸の大規模農家と8戸の規模拡大農家は農業機械を持っている。