国際海運からの温室効果ガス削減対策に関する最近の国際動向と日本の戦略

摘要

近年、頻発する異常気象やそれに伴う大規模災害等を背景に、気候変動に対する世界的な関心は高まる一方である。局所的な大気汚染等と異なり地球規模での対策が求められる気候変動問題では、1992年に採択された気候変動枠組条約(UNFCCC)に始まり、それに基づく京都議定書(1997年採択)やパリ協定(2015年採択)など、各種国際枠組みが合意されている。2018年発表のIPCC 1.5度特別報告は、現状の対策では気候変動対策として不十分であり、2030年までに温室効果ガス(GHG)の排出を45%削減し、2050年までにネットゼロにすべきであると指摘している。