小型衛星搭載用SARアンテナの熱変形の構造的な抑制

摘要

宇宙から地球を観測するために地球観測衛星が用いられる.現在，こうした観測には光学衛星を用いるのが主流であるが，光学センサでは夜間時や悪天候時に観測することができないという欠点がある.よって，災害時等，緊急事態が発生した場合には即時的な観測が可能なシステムが求められている.合成開ロレーダ（SAR：Synthetic Aperture Radar)は雲を通過しても減衰しにくく夜間時や悪天候時にも観測可能であることから，近年注目を集めている.また，高頻度な観測を行うためには複数機による観測が必要となることから，低コストかつ開発期間が短い点で小型のSAR衛星が有用であると言われており，宇宙科学研究所では小型衛星搭載用のSARアンテナの開発が進められている.