汚染土壌浄化•再利用と廃棄物高減容化を目指した亜臨界水処理システムの開発2.カラム法による汚染土壌の連続処理

摘要

環境省が示した汚染土壌の分類によれば、カテゴリーC (15，000～62,000Bq/kg)をふるい分けして得られた細粒分とカテゴリーD (62，000Bq/kg以上）を合わせて70万m~3強の土壌は適切な処理によりCsの回収と廃棄物の減容化を行う必要が出てくると思われる。この大量の土壌からCsを回収し、同時に放射性廃棄物の減容を達成するには、汚染土壌を連続処理する合理的なプロセスの構築が不可欠である。我々のグループは亜臨界水中での高速なイオン交換現象を利用して土壌からCsを脱離回収しようとしているが、200°C前後の温度と10～40気圧の加圧が必要であることから、回分装置でいちいち加温加圧を繰り返すのは不合理である。複数本のカラムを並列に並べた装置を用いて交換イオンを含む亜臨界水をカラムに流し、汚染土壌からCsを回収し、処理済みカラムを新しいものに交換する工程を順々に繰り返すことで土壌の連続処理が可能になる。本報告では、環境省「環境研究総合推進費」での汚染土壌の連続処理のためのカラム処理プロセス開発の平成30年度の成果を報告する。