バスの車内事故防止支援システムに関する研究

摘要

わが国におけるバスの利用者数は，年々減少傾向にあるものの，輸送人員は現在でも42 億人を超え，多くの人が移動手段としてバスを利用している[1]．しかし，多くの人が利用する一方で，バスの事故も多発している．なかでも，バスの事故のうち車内事故の占める割合は多い．国土交通省自動車局によると，平成27 年におきた1772 件のバスの事故のうち，車内事故の件数は490 件で，約3 割を占めている[2]．バスの車内事故件数自体は年々減少傾向にあるものの，依然深刻な事態である．このような状況により，バスの運転手に安全運転を強く意識させることによって車内事故の発生を抑制することが求められている．