X-band MP レーダ雨量情報による平成29 年九州北部豪雨災害解析

摘要

「平成 29 年（2017 年）7 月九州北部豪雨」災害は、7 月5 日から6 日にかけて九州北部を中心とする福岡県と大分県で大規模な豪雨災害（住家被害：土砂災害 2617 棟以上，人的被害：死者39 名）が発生した。（図１）この発生した災害時の気象は、梅雨前線が7 月5 日から6 日にかけて西日本に停滞し、この影響で、九州北部地方を中心に大雨となった。九州北部地方では、対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって暖かく非常に湿った空気が流れ込み、前線の南側で線状降水帯が形成された。福岡県及び大分県では、5 日昼頃から夜遅くにかけて猛烈な雨が降り続き、記録的な大雨となった。これにより、5 日17 時51 分に福岡県、19 時55 分に大分県に、大雨特別警報を発表した。福岡県朝倉市で129.5mm の1 時間降水量を観測したほか、最大24 時間降水量は福岡県朝倉市で545.5 ㎜、大分県日田市で370.0 ㎜となって平年の7 月の降水量を超え、福岡県・大分県で記録的な大雨が発生した。