公平性を考慮した麻酔科医スケジューリング問題に関する一検討

摘要

24 時間体制で人命を守る医療機関において，医療スタッフが無理なく働けるような勤務シフトの作成や，効率的な手術室の管理運営を考えることは重要である．医療機関におけるスケジューリング問題，例えば，ナース・スケジューリング(NurseScheduling Problem, NSP) [1, 3]，麻酔科医スケジューリング(Anesthesiologist Scheduling Problem, ASP) [5, 6]，手術室スケジューリング(Operating Room Scheduling, ORS) [2, 4] 等はオペレーションズ・リサーチにおける基本的な枠組みである．ASP とは，麻酔科医，勤務日，麻酔科医のランク，当直勤務等の集合に対して，与えられた制約条件（例えば，麻酔科医は各日，各当直シフトに高々1 回しか割当ててはならないや，当直勤務が必要な日には必ず医師を割当てなければならない等）を満たすように勤務シフトを作成する組合せ最適化問題である．