2種の解熱鎮痛剤のメダカにおける繁殖不全及び下顎欠損誘発作用の比較

摘要

近年、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)を始めとする医薬品成分が河川水中から検出され、水生生物に対するリスクが懸念されている。演者らはNSAIDsの一種であるジクロフヱナク(DCF)が、その薬理作用である酵素シクロォキシゲナーゼ(COX)の活性阻害により、メダカ(Oryzias latipes)の排卵阻害及びオス特異的な下顎欠損を誘発することを見出している。本研究は、この繁殖不全及び形態学的異常が、同様の薬理作用を有する他のNSAIDsの曝露においても引き起こされるのか否かをP月ら力、にすることを目的とした。そこで、C0X-2特異的阻害剤であるセレコキシブ(CLC)を用いたメダカの曝露試験を実施し、繁殖影響及び下顎欠損を観察すると共に、これらの作用に関してDCFとの比較を行った。