沖縄県宮古島巿白川田地下水流域に分布する琉球石灰岩の溶解速度検討

摘要

本研究では，沖縄県宮古島市の白川田地下水流域に分布する琉球石灰岩の溶解速度を検討するために，室内実験を実施した.実験は，現地の琉球石灰岩の溶解に影響すると考えられている土中水と地下水を溶媒として，現地で採取した間隙率の異なる琉球石灰岩を各溶媒で溶解させた時の水質変化を測定した.実験の結果，土中水溶媒に投入した琉球石灰岩は，土中水中のCO_2と反応し，飽和状態に達するまで溶解した.この時のCa~(2+)濃度は，白川田地下水流域の地下水中のCa~(2+)濃度と同程度であった.このことから，白川田地下水流域の地下水は既に飽和状態となっており、地下水による琉球石灰岩の溶解は進行しなかったと考えられる.