ステツプ注入付周波数フィ一ドバック方式に起因する 無効電力振動の継続条件

摘要

本稿では，周波数フィードバック方式を搭載したPCSにより出力される無効電力が継続的に振動する事象に対し， その発生条件をより正確かつ簡便に判定することを目的として検討を実施した。単相電源と単相PCSで構成されるシステムを対象とし，各部定数の相互関係を定式化し，伝達関 数を導出した。その際，連系点電圧の変動を考慮することに より，従来法よりも精度の高い安定条件判別式を導出した 点が特長である。また，この判別式は，線路インピーダンス，PCSの機器容量，PCSの発電出力，負荷抵抗の消費電力，および周波数偏差•無効電力特性による代数式で与えられ，簡 便に安定性を判別できる。この判別式が与える結果と，瞬時値解析および実機のPCSを用いた実験により得られた無効電力振動が継続する条件とを比較し，十分な精度が得られ ることを確認した。