高精度望遠鏡主鏡適用に向けたCFRP 製ハニカムコア構造の成形および評価

摘要

観測衛星の観測分解能の向上には搭載される望遠鏡主鏡部の大型化が要求される。望遠鏡主鏡部の大型化は精度向上と共に重量という課題を内包する。高精度でかつ、重量の課題を解決する方法として、低密度で優れた寸法安定性を有する材料の主鏡構造への適用性に関する開発が必要となる。そこで、比剛性や耐熱特性の観点から耐熱樹脂を母材とするCFRP ハニカムコアを用いたサンドイッチ構造の適用検討が進められている1)。国外では既にいくつかの製造メーカーにてCFRP ハニカムコアの製造、および、構造体への運用がなされているが、国内でのCFRP ハニカムコアの製造に関しては製品化されておらず、未だ開発段階にあり、国内プロジェクトなどでCFRP ハニカムコアの適用検討を行う上で現状では構造体のサイズ、形状に対して国外からの輸入製品では制限が多く、自由度が低いという問題を抱えている。その要因の一つとして、CFRP ハニカムコアの製造には従来CFRP 構造体に用いられるオートクレーブ成形法が主であるが、オートクレーブ成形法は高温、高圧の装置の中で、樹脂の硬化を行う成形法であり、大型構造体の成形においては設備や製造工程の観点から高コストである点、また、形状自由度が低い点が課題とされている2)。そのためこの問題を解決する手段としては、国内で低コストかつ大型構造物が成形可能な製造技術の確立が重要であるといえる。