低コスト宇宙輸送技術実現に向けた非技術リスク抽出と国際間調整メカニズムの構築

摘要

低コスト宇宙輸送技術の一つとして研究が進む宇宙エレベーターではあるが，（１）宇宙エレベーターの要素技術軌道上実験を行うためのデブリ防止ガイドラインへの摘要，（２）地上からの観測では検知できない小さなスペースデブリの検出技術の開発や「定点観測」体制の確立，（３）人為的行為に加え自然災害（落雷、強風）も含めた対応設計を図り，宇宙エレベーターシステムの個別モジュールのロバスト性・Survivability(残存性)を確保した上で，適切なソフトパワーの確保を行う，（４）軌道上兵器システムを支援するインフラとして宇宙エレベーターが利用される懸念を各国間で調整する仕組みの創設等が必要であり当面，アカデミーサイドの活動として研究グループを設置していくことになる．なお，今後の技術課題の伸展によっては，宇宙エレベーターの建築が地球環境に及ぼす影響も検討せざるを得なくなる可能性（電離層への影響等）もあり，それらも含めた新たな課題を識別し解決する活動としていきたい．