IC (Integrated Circuit)の製造に用いる半導体露光装置は,微細な加工を行う精密機器であるため,僅かな振動でも製造品質に影響を及ぼす.その対策として,一般的に空圧式除振装置を用いて振動が抑制される.半導体露光装置が設置される工場内では,周囲の機械振動や作業員の歩行による振動など,様々な種類の振動が問題となるが本稿では地震動に着目した.地震動の発生時の対策は産業応用上,積極的に行われていないが,文献(1)(2)では長周期地震動が発生した際に除振台の変動幅が大きくなり,除振装置自身または付近の装置へ衝突する可能性があることが報告されている.また同文献では,地震工学で用いられる被害指標SI(Spectral Intensity)値を用いて,空圧式除振装置の制御を適切に切り替え,除振台の衝突を防止する方法(以下,制御切り替えと略記)が提案されている.
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