光一光合成曲線を用いた総生産量推定アルゴリズムの開発： 気候モデルによる気象要素の時間変化デ一夕利用に関する考察

摘要

衛星データを用いた総生産量推定には，総生産量と光量との線形関係が仮定される光利用効率モデルD 2) が使用されることが多い。この光利用効率モデルでは， 日単位，月単位などの時間積分の概念が含まれている。 一方，光合成の光依存性は非線形であることが知られて おり，光一光合成曲線で表される。一般に植物の光合成 では，気象条件によっては日中光合成速度力《低下するこ とが知られており，乾燥度(VPD)力《高くなると気孔が 閉じ光合成速度は低下する。本研究の総生産量推定アルゴリズム3) 4)の特徴は， 光一光合成曲線に基づき，光合成の時間変化パターンを アルゴリズムに導入し，光合成のキャパシティ一と，気 孔の開度から光合成速度の日中低下量を推定する点5) にある。本アルゴリズムを衛星デ一夕に■し，球に おける総生産量を推定する場合，光合成有効放射量等の 気象デー夕の時間変化値が必要である。地上観測点の気 象デ一タは•するが,，球を力パーしているわけで はない。一方，気候モデルでは地球上のグリッド毎に気 象要素を計算する。本研究では，気候モデルでの気象要 素の時間変化デ一タの本ァルゴリズムへの利用可能性に ついて調べた。