小型マイクロ波放電式中和器のプラズマ源におけるE×B ドリフトの効果

摘要

100 kg 以下の超小型衛星は短期間・低コストで製作が可能となるため，近年注目されている．超小型衛星は大学や中小企業でも運用が可能であり，教育や技術実証，商用利用など幅広いミッションに用いられている1)．日本でも，2003 年に世界初のCubesat の打ち上げ成功以来，2013 年までの間に31 機の超小型衛星を打ち上げており，世界でも上位の打ち上げ数となっている2)．しかし，超小型衛星は重量や容積・電力などの制限が厳しくなるため，推進機を搭載した例は未だ少なく，また，搭載する推進機も超小型である必要性がある3)．衛星に推進機を搭載できれば，衛星自身による軌道の選択や深宇宙探査が可能になるなど，より高度なミッションへの利用が期待できる．このような要求に対応する推進機の1 つとしてイオンスラスタが挙げられる．イオンスラスタは電気推進の一種であり，小惑星探査機「はやぶさ」において主エンジンとして用いられたスラスタである．