宇宙材料劣化研究拠点の形成と衛星プロジェクト支援（Ⅱ）

摘要

人工衛星に使用されている材料は、過酷な宇宙環境に曝されて必ず劣化し、遅かれ早かれその機能性を失う。先進的・革新的ミッションを遂行する人工衛星では、材料やその用途が極めてユニークである一方で、宇宙環境に対する十分な軌道上実証を経ていない場合もある。このため、衛星プロジェクトにおいて信頼性を担保するためには、これらの材料がミッション期間中、過酷な宇宙環境に曝された場合でも十分な機能性を維持するかどうかを地上模擬試験により評価することが極めて重要となる。しかしながら先進的・革新的ミッションの多様化・高度化する材料評価要求に応えられる研究拠点は設備的にも、人材的にも不足しているのが現状である。