講演概要　海上コンテナ貨物の鉄道による国内輸送の現状と問題に関する研究

摘要

現在，世界の国際貨物輸送には国際規格化されたコンテナ，通称「海上コンテナ」が使用されている.荷物をコンテナに詰めることにより積み込み，積み下ろしが効率化された.さらに，統一された規格によりそのまま他の輸送機関に搭載し，国内の内陸部まで輸送するという複合一貫輸送が可能となっている.これらの効率化により輸送コストだけでなく，付随する国際物流の多くの面でコストを抑えることが可能になり国際物流の発展に貢献している.このような情勢の中で日本は，早い時期から海上コンテナによる国際貨物輸送を行い，かつては世界の海上コンテナ貨物取扱い量の上位に位置していたが，近年の東アジア圏の発展により現在は大きく差をつけられている.東アジア地域の主要港の発展に伴い，日本に寄航していた海外からのコンテナ船が中国や韓国などへ航路を変更するケースが発生するなど，日本への国際貨物はトランシップが必要となり，所要時間増加やコスト増加が発生している.