ハイパースペクトルカメラを用いたレールの劣化検出に関する基礎検討

摘要

軌道部材の検査は，目視または手計測により行われているものが多く，多大な時間と労力を必要としている。そこで，検査の効率化を図るため，鉄道事業者においてはラインセンサカメラ等を車両床下に搭載して各種部材を撮影し，画像処理により状態を判定する技術の開発·導入が行われているが，これは主に目視で確認できる劣化の検出を目的としたものである。一方，ハイパースペクトルカメラは，撮影した物体の2次元の空間情報と数十種類以上の波長に分光したスぺクトル情報を取得できるカメラであり，波長分布や特定波長の強度の変化から，目視での把握が困難な材質の変化を捉えることができる可能性がある。そこで，ハイパースペクトルカメラのレールの劣化検出への適用方法を検討するために，基礎的な試験·検討を行ったのでその結果を報告する。