中嶋章のスィツチング理論への貢献: 生誕110年を記念して

摘要

NECの技術者であった中嶋章は，1936年に独自にブー代数を構築し，これによりスイッチング理論を展開した。スィツチング理論はオン/オフの状態をとる二値論理素子で構成される回路網の理論で，論理設計を行う場合の基本となるものである。中嶋は1908年に生まれ，2008年が生誕100周年にあたり，これを記念してフィンランドのTampere University of Technologyより中嶋の全英文論文の復刻版"Reprints from the Early Days of Information Sciences-on the Contribution of Akira Nakashima",が刊行され，web上にも公開された。本年（2018年）は生誕110周年にあたり、この機会に中嶋章のスイッチング理論に対する貢献を振り返る。