欧州各都市の大気質が住民の疾病別粗死亡率に及ぼす影響の時系列分析

摘要

欧州260の都市を対象に、大気質が住民の健康状態に及ぼす影響度を定量化するとともにその長期的なスパンの長さを特定した。EurostatとOECDの統計情報を参照することで各指標のデータを年次ごとに収集し、それらの因果関係を検証した。分析の結果、PM10の値は循環器系疾患やがh関連の疾病に影響を及ぼし、その影響が顕在化するスパンは2年ないしは4年であることが示唆された。またオゾン濃度の値は感染症やがh関連の疾病に影響を及ぼし、そのスパンは0年ないしは3年であることが示唆された。これより、大気質が人体に及ぼす影響を把握する一助となる知見が得られた。