2乗加算方式を用いた正弦波発振回路の低歪み化に関する検討

摘要

正弦波は単一スペクトルであり，この特徴を活かし増幅器の歪み率の測定などの検査信号に用いられている.しかし実際の正弦波発振回路の出力は僅かに歪hでおり，この歪みによって検査の測定限界が決定されてしまうため，発振回路の低歪み化が要求されている.歪みは基本波の整数倍の周波数の高調波として出現する.歪みを数値化したものとして全高調波歪みTHDがある.THDは基本波の大きさに対する高調波の大きさの比を表したものであり，市販の低歪みと称される発振器では-90dBから-120dB程度が確認されている.