遠賀川水系への安定砂礫床河道の横断形状と 無次元掃流力に関する関係式の適用

摘要

筆者が提案する“レジーム則を満たす条件”に基づく安定河道の式Ⅱを遠賀川水系(遠賀川，彦山川)に適用し，動的平衡状態にある無次元掃流力τ*Sと無次元横断形(A/dR2，h/dR，B/dR，B/h)について以下を明らかにした．① 同水系の安定河道区間におけるτ*Sと無次元横断形が，国内外の安定河道のものと大きな違いはないこと(図-9~12)．② 式Ⅱがτ*Sと無次元横断形の縦断変化を良好に予測できること(図-13~14)．また予測誤差が大きな箇所は，堰湛水域，規模の大きい支川合流点や堰の直下のように，河床材料や河道形状が自然安定河道と異なる一部の区間に限定されること．