屋根面ブレースが引張降伏する学校体育館の耐震診断方法に関する基礎的検討:R1タイプ学校体育館の屋根面ブレース塑性率と靭性指標Fの関係

摘要

文献1)の耐震診断方法では、架構全体が（必要）保有水平耐力に達する前に屋根面ブレースが降伏する場合、ゾーニングにより各平面架構に対して耐震診断指標が評価される。従って屋根面ブレースが比較的大きな耐力を持たない限り、妻壁の高い剛性、耐力を利用することができない。しかし屋根面ブレースが比較的早期に降伏する場合でも、ブレースの変形能力が十分あれば、ブレース軸耐力分だけの耐力増加が見込める筈である。本報はR1タイプの学校体育館の梁間方向を対象とし、屋根面ブレースが降伏し、中間フレーム群が部分崩壊する場合の挙動を調査する。屋根面ブレースの耐力をフレームの保有耐力に加算する際に必要なブレースの変形能力を評価する為に、屋根面ブレース塑性率と靭性指標Fの関係について考察する。