火力発電所本館鉄骨の耐力と変形能力に関する基礎研究（K 型ブレース骨組 その1）

摘要

火力発電所は、施設の重要性を考え、1981年の建築基準法施行令改正（新耐震設計法）以前から高度の耐震安全性を確保することを目指した設計が行われてきた。ところが、その建設年代によってはブレース接合部、柱梁仕口等が現在の一般的な仕様とは異なり、現在の設計法や耐震診断法あるいは動的解析で耐震安全性の再検討を行う際、部材の耐力、変形性能に関するデータが不足している。そこで、既存建物から取り出した部材の構造実験によりそれらの構造性能のデータを得ることは極めて有益であると考えられる。