パッケージエアコンを採用した中小規模建物の室内環境に関する研究(その４)エアコン吹出し気流のショートサーキットと居住域温度に関する検討

摘要

近年、中小規模建物などの空調方式として、パッケージエアコン(以下、PAC)を使用したビル用マルチを採用する事例が増加している。この方式の多くは1台の室外機に対して複数の室内機を分散配置し、換気装置は別に設けるもので、室内機ごとに個別制御が可能となる一方、運転状況及び室内環境の実態を把握することが難しく、省エネルギー対策が取り難いという問題がある。また、換気装置はPAC室内機と同様に天井に設置される場合が多く、PAC吹出し気流が換気装置吸込み口に直接流出するショートサーキットが起きる場合があることが知られている。既往研究1)では中小規模建物の室内環境の実測調査を行い、その結果、PAC吹出し気流がショートサーキットしている可能性が示唆された。