中山間地域における食材調達からみた生活空間の変容:和歌山県海草郡紀美野町鎌滝における1950年以降の変容

摘要

本研究は中山間地域に位置する集落を対象に、空間の変容と生活の変容を「食」という観点から関係づけて論ずるものである。過去の集落空間を復原し、現在の集落空間と比較することで集落空間の変容を明らかにし、さらに集落空間の使われ方として、どのような食材をどの場所で得ていたのか調べることで集落空間の使われ方および生活の変容を明らかにする。集落空間の変容に関しては、まず筆者らが地籍図をもとに現地目視調査を行い、2010年現在の土地利用を把握する。次に得られた土地利用図、および1950年の地籍図を用いて住民ワークショップを開催し、住民の記憶をもとに1950年の土地利用復原図を作成する。それぞれの土地利用図をもとに、その面積を計算し、住居を中心とした土地利用モデル図を作成し、両者を比較して考察する。