総社町山王集落にみられる集落空間の継承性について: 養蚕住宅及び集落の形成•変化•継承に関する研究　その3

摘要

現在の山王集落の道路形態と屋敷割は、明治6年の壬申地券地引絵図によって既に描かれていることから、江戸期まで遡ることができる。集落外へ開かれているのは、八丁〆のある街道のみで、他の生活道路は旧集落內で閉じている。伝統的行事の巡行経路は、旧集落内の開かれている街道を利用している。伝統的行事を維持していくには、山王自治運営委員会という組織と人材の存在が大きいが、この伝統的行事、組織•人材を活かしていくためには、伝統的集落空間の仕組みを継承することが有効であると考える。