住宅における暖房の予熱運用を用いた太陽光発電の自家消費効果に関する研究その2)太陽光発電の自家消費運用に関するエネルギー評価

摘要

冬季の予熱運転がPV発電の自家消費運用効果の検証を目的に、対象住宅における実測と、得られたデータに基づいたHP給湯器の稼働開始時間、PV発電量、予熱運転時間の長さの条件を変更したシミュレーションを用いてエネルギー評価を行った。異なる暖房方式を用いた実測より、PV発電時間帯の予熱運用によって、非発電時間帯の暖房に係るエネルギー消費量が削減されることが示された。特に放射条件は夜在宅時（18:00?23:00)の暖房電力の削減に効果が大きく、実測条件代表日1日のみの比較より2.1kWh自家消費量が増加し、BTの放電と買電による暖房の電力消費が3.9 kWh削減した。HP給湯器の稼働開始時間の違いによるエネルギー評価より、昼間運転への切り替えにより売電や買電が削減し、自家消費率が向上すること。さらに12:00より10:00稼働開始にすることでさらなる効果が見込まれることが示された。PV発電量·予熱運転時間の長さの違いによるエネルギー評価より、発電量が少ない場合でも3 h予熱運転を行うことで快適性を維持しながら夜間の電力消費のピークを抑制できる可能性が示された。以上より、暖房による予熱運用を用いた太陽光発電の自家消費効果の有用性を示した。