小学校教室内化学物質濃度の測定に基づく換気設備の効率的な運用方法の検討(第三報)実測結果を用いた建材内有効拡散係数校正による教室内VOCsのCFD解析方法

摘要

近年、小学校において揮発性有機化合物（以下、VOC)による空気汚染が社会問題となっている。本研究は前報までの実測による研究を受け、CFD解析により学校教室の化学物質空気汚染の解明及び換気運用方法の詳細検討を最終目的としている。前報の第1、2報では、建材内の化学物質拡散速度が気中への放散速度を支配する内部拡散支配型の建材を対象とし、アクティブサンプリング法とパッシブサンプラー法によりVOCs室内濃度、建材から室内空気への放散速度を実測し、ザィデル式により換気運用方法の検討を行った。しかし、ザイデル式で実測した定常時の室内濃度を各建材の総合放散速度に換算することによって室内濃度変化を求める場合、換算値の精度が確保できないだけでなく、気流や濃度拡散に影響を及ぼす諸要素と、実現象の再現も把握できないと考えられる。また、間欠運転方法を検討するために、室内濃度の非定常解析をする必要がある。